災害の経験をふり返り、これからにつなぐ ~輪島市門前・町野・河井~

年度末の3/28-29、輪島市の3つのエリアでジオラマのワークショップを行いました。
輪島市では平成19年(2007年)に起きた能登半島地震以降、地震発生日の3月25日を「市民防災の日」として25日から31日までの1週間を市民防災週間としており、このタイミングでの開催となりました。
また、令和6年元旦の能登半島地震、9月の豪雨災害を経て、昨年12月に市の防災士会が発足、その第2回目の講習会という位置づけでもあります。

地震による土地の隆起、倒壊や火災による建物の消失、仮設住宅の整備など、既存の地図情報から変わっている部分も多く、ジオラマキットの製作段階では、様々な地図や情報を見比べながらできるだけ最新の様子を反映するようにしました。
輪島には昨年8月にも訪問していたのですが、被災家屋の解体はさらに進み、一方で新築されるお宅もあり、どのエリアも半年前の印象とは変わって見えました。

今回、輪島市さんからジオラマワークショップのお話をいただいたとき、災害の記憶がまだ新しい方々に向けてどのようなワークショップをすべきか悩みました。準備はしていったものの直前まで悩み、最終的に会場で参加者の皆さんと「どんな場にしたいか」「何を持ち帰れるとよいか」を相談して内容を決定。結果としていずれのエリアでも、ジオラマの組み立てたあと、災害のふり返り(被害、避難、助かった出来事など)、安全なまちにするための今後の取り組みなどについて、ジオラマを囲んで付箋を貼りながら話し合うという流れで実施しました。
参加した方々にとって意味あるものになったのか自問自答の日々ですが、まずは門前地区のレポートになります。

<門前地区>
門前地区は輪島市の南部に位置し、総持寺祖院の門前として発展した旧門前町の市街地に当たります。
地震では多くの建物が被害を受け、豪雨でも氾濫や土砂災害に見舞われました。
ワークショップ前日に門前町入りして沿岸部の黒島地区のゲストハウスに宿泊。近くの道下地区の仮設住宅団地内にあるコミセンBASEでお風呂と食事をいただきました。
仮設にお住いの方などがお風呂上りにご近所さんや食事処の店員さんと言葉を交わし、出来上がったおかずをテイクアウトして帰っていく。そんなやりとりが何度も繰り返されます。仮設住宅では室内に引きこもりがちの人が増えてしまいやすくなる中で、こうした施設があることはとても大きいですね。

ワークショップは午前10時から、門前会館で行われました。
今回のワークショップには東京から学生さんが1名手伝いに来てくれました。彼は震災後に大学を休学して1年間門前で暮らし、地域の方とも顔なじみの存在です。
会場にお集まりいただいたのは防災士の資格を持つ地域の方々。組み立てたジオラマを見て、「地域の地図は何度も見ているけれど、こうして立体になると見えてくるものが全然違う。ハザードの理由も実感としてわかる」と公民館長の男性。(そうおっしゃっていただいただけでも来てよかった!)

そこからジオラマ上に付箋を貼って被災状況をふり返りつつ、そんな中でも「あってよかった」「役に立った」「助かった」「ありがたかった」といった要素もふまえて、今後このまちを安心・安全にしていくための取り組みやアイデアについて、これも付箋を貼りながら共有していきます。豪雨の際に想像もできない短時間で川が増水していった経験などをふまえて、護岸や排水能力の増強などを望む声なども聞かれました。
じっくり話すには時間が足りず終了時刻となってしまいましたが、「地域の人たちにも見てほしい」「またやってみたい」というお声もいただけたのはよかったです。

(次回のレポートは町野地区です)