高畠町立和田小学校【NHK山形放送局】

令和4年8月3日からの大雨災害で被災されました皆さまに謹んでお見舞いを申し上げます。
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防災ジオラマネットワークでは、この大雨災害に見舞われる直前の7月27日、山形県高畠町にある和田小学校にて、NHK山形放送局主催の防災授業(5、6年生)に参加しました。

授業前半はNHKの気象予報士 長谷川さんが担当され、とても分かりやすく子どもたちに防災クイズを通して、災害時の行動を解説くださいました。
中でも子どもたちの人気を集めたのが、タブレットを使用したバーチャル浸水体験。目で見て浸水の怖さを知ることも大切ですが、学習の定着に役立つ楽しさの部分では、先生方が浸水した学校の外で助けを求めているバーチャル写真を撮ってくださいました(迫真の演技力!)。
とはいえ、実際の水害では、この様な事態にならないことが大切。
だからこそ、授業後半では、地域で起きる災害を理解する為、自分たちでジオラマを組み上げ、学んでいきます。

自分たちで層を重ねていく段ボールジオラマ。子どもたちは、我先に!とパーツを外し、次々と組み上げていきます。
組んだジオラマに透明なシートに印刷されたハザードマップを重ね、自宅と地域全体のハザードを確認。
「色、ヤバイ!(浸水深が深い表示の色がついている)」「うちは色がないから大丈夫!(ハザードが想定されない)」「土砂がくるかも!」などの気づきの声が。
その後、災害時に危険がありそうな場所に印をつけ、それぞれの感じた危険や気づきをみんなで共有しました。

山々から広がる扇状地の要(かなめ)の様な場所にある和田小学校。それだけに、今回のジオラマは高低差が一目瞭然です。
子どもたちは勿論、先生方も、この直感的に地形特性(地域の災害や豊かさ)を理解できるジオラマの魅力にぐっと惹き込まれていただけたようです。
自分たちが住んでいる場所のジオラマは、普段の自分の体感(坂道の傾斜や雨の時流水の様子、川のはたらきなど)と繋がり、後半の『いのちを守る防災の話』にも真剣に耳を傾けるきっかけ(自分事の第一歩)にもなりました。

最後の振り返りの発言では、災害時の行動への気づきの他にも、家族を守るための思いなども垣間見え、「こわがりヒーロー(@NHK)」として、自分のいのち、家族や地域の人のいのちに向けた防災行動の芽生えが見られた授業となりました。
授業が終わってもジオラマから離れられない子どもたち。今回のジオラマは夏休み明けの防災月間、全校生に向けて展示を行うそうです!

※8月3日からの大雨災害では、高畠町全域に緊急安全確保の警戒レベル5が出されましたが、和田地区では人的被害は確認されませんでした。
東北北部では8月11日までに過去最大の大雨の予想も出ていますので、対象地域の皆さまは早めの備えと行動を心がけてください。