そのときどうする? 地域の水害リスクを考える(静岡県袋井市)

レポートが遅くなってしまいましたが、先月10月18日、コロナ禍以来久しぶりのワークショップをさせていただきました。
静岡県袋井市村松地区の自治会様主催で、袋井市役所危機管理課様のバックアップの下、3時間半の長丁場。
村松地区は大雨のたびに冠水することが多い水害の常襲エリアで、地域の皆さんはある意味、水害と共生をされています。だからこそ、またいつもの程度だろうという「慣れ」が危険につながるのでは、というのが今回のテーマでした。
太田川・原野谷川という2つの川と背後の丘陵に囲まれた地区で、ひとたび破堤すれば行き場を失った水がプールのように溜まってしまうリスクがあります。
指定緊急避難場所までは距離がありそこ自体も浸水想定エリアにあるため、「もし危険を感じたとしても避難所へは行かない」と皆さんおっしゃいます。
マニュアル上の想定を当てはめにくいこうした地域における、住民の皆さんの防災意識が気になるところです。

地区は「西」「上」「下」の3つに分かれており、今回は西をさらに2つに分けた4つのグループで作業と議論を。
中学生からシニアの方まで幅広い年代の参加者がジオラマを囲み、日頃感じている危険やいざというときどうすればいいのか、地域としてなにをしておくべきかなどについて話し合ったことを発表してもらいました。
村松地区は地形的に上記の各エリアでリスクの内容や課題に違いがあるのですが、結果として、それらがくっきりと浮かび上がりました。指定避難場所に行く場合のタイミング、代わりの避難場所の可能性、仕事や学校などで域外にいる場合の対応など、様々な問題意識にも地域ごとの特徴が出ていたことがたいへん印象的でした。
自治体からの防災情報をベースとしつつも、それをいかに自分たちの実情に合わせてカスタマイズできるか、どのような地域であってもとても大切な視点ですね。