【調査レポート】地域のハザードマップ、内容把握は2割未満。20代が最低

~「子どもにもわかりやすく」「防災以外の情報も」。求められる”接点”の工夫~
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段ボールで作るジオラマを使って地域の災害リスクを学ぶ活動を行っている一般社団法人防災ジオラマ推進ネットワーク(神奈川県横浜市、代表理事:上島洋、https://www.bosai-diorama.or.jp/)は、2019年1月、全国の15~69歳の男女1,772人に対してハザードマップに関するアンケート調査を実施いたしました。

<調査背景>
 西日本豪雨、大阪北部地震、北海道胆振東部地震など、昨年も各地で大きな災害に見舞われた一年でした。全国の自治体等ではハザードマップ(地域の災害の危険性や避難所の位置などを示した防災マップ)を発行して住民に災害のリスクを発信していますが、事前のリスク把握・準備によって的確に避難できたケース、情報や対応が行き届かず大きな被害につながってしまったケースなど、災害時の状況は地域によっても差が見られました。
南海トラフ巨大地震をはじめとする大災害発生の可能性も高まる中、防災・減災のための重要な情報であるハザードマップが一般の人々にどれくらい浸透しているのか、またどのように受け止められているのか、全国の15~69歳の男女を対象に調査しました。

<調査結果サマリ>
●地域のハザードマップを「見たことがあり、周辺の災害リスクを理解している」のは17.7%。「知らない」「見たことがない」人が半数強(50.8%)を占める。
●年齢が若いほど認知・理解が進んでおらず、20代の内容理解は最も低い7%。
●エリア別の閲覧率では北海道(60.8%)、中四国(58.6%)が高く、関東甲信越(36.2%)が低い。近年に大きな災害を体験した地域においては、閲覧率がやや高い傾向が見られる。
●ハザードマップを「見たことがある」人(全体の49.1%)のうち、職場や学校周辺のものを見たことがある人は21.1%(全体ベースでは10.4%)にとどまる。
●ハザードマップについて、「どの程度のリスクがあるのかわかりにくい」(閲覧者の22.2%)、「子供にもわかりやすい工夫が必要だ」(同33.7%)、「防災以外の情報も載せるなど、日常的に目にする機会が増える工夫がほしい」(同23.2%)など、コミュニケーション上の改善を求める意見も少なくない。
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●地域のハザードマップを「見たことがあり、周辺の災害リスクを理解している」のは17.7%。「知らない」「見たことがない」人が半数強(50.8%)を占める。
Q. あなたはハザードマップ(地域の災害の危険性や避難所の位置などを示した防災マップ)について、どの程度ご存知ですか?(n=1,772)※必須回答

ハザードマップの閲覧率や理解の状況について、男女間では大きな差は見られませんでした。年代別では、最も浸透度の高い60代でも「見たことがあり、自宅周辺の災害リスクを理解している」のは26.3%で、若い人ほど浸透度が低い傾向が見られました。10代は20代よりも浸透度がやや高く、学校の授業などで目にする機会があったことが推察されます。また、見ても理解できなかったり(9.1%)、そのときは理解しても忘れてしまっている人も多く(22.3%)、認知の促進や定期的に目にして思い出す機会の確保など、接点の強化が必要な状況と言えます。

●エリア別の閲覧率では北海道(60.8%)、中四国(58.6%)が高く、関東甲信越(36.2%)が低い。近年に大きな災害を体験した地域においては、閲覧率がやや高い傾向が見られる。

エリア別に浸透度を見ると、北海道と中四国がやや高く、首都圏を除く関東甲信越は低いなど、地域によって実態に差があることがわかりました。近年に大きな被災経験を持つ地域では、他の地域と比べて防災への意識が高くなっていることがうかがわれますが、それでも自身の災害リスクの状況まで把握しているのは、やはり2割前後にとどまっています。

●ハザードマップを「見たことがある」人(全体の49.1%)のうち、職場や学校周辺のものを見たことがある人は21.1%(全体ベースでは10.4%)にとどまる。
Q. あなたが見たハザードマップはどのようなものですか? 当てはまるものをいくつでも選んでください。(n=870)※閲覧経験者のみ

自宅周辺のハザードマップは見たことがあっても、職場や学校周辺のものは見たことがないという人が多いようです。ハザードマップ閲覧経験者のうち、職場や学校周辺のものを見たことがある人は21.1%にとどまっており、自宅同様に多くの時間を過ごす職場や学校周辺の災害リスクについて、その知識が大きく不足していることがわかりました。帰宅困難の問題も含めて、首都圏など職住が離れているエリアでは特に課題と言えます。

●ハザードマップについて、「どの程度のリスクがあるのかわかりにくい」(閲覧者の22.2%)、「子供にもわかりやすい工夫が必要だ」(同33.7%)、「防災以外の情報も載せるなど、日常的に目にする機会が増える工夫がほしい」(同23.2%)など、コミュニケーション上の改善を求める意見も少なくない。
Q. ハザードマップについてのあなたの印象や考えとして、当てはまるものをいくつでも選んでください。(n=870)※閲覧経験者のみ

ハザードマップを見たことがある人に対して、その印象や評価をたずねたところ、「避難所や避難場所がどこにあるのか、わかりやすい」(33.3%)、「どんな種類のリスクがあるのか、わかりやすい」(25.3%)と肯定的な評価がある一方で、「どこで見られるのかがわかりにくい」(20.7%)、「どの程度のリスクがあるのか、わかりにくい」(22.2%)、「子供にもわかりやすい工夫が必要だ」(33.7%)、「防災以外の情報など、日常的に見る機会が増える工夫がほしい」(23.2%)など、コミュニケーション上、表現上の課題を指摘する意見も多く見られました。

●まとめ
全国各地で整備されているハザードマップですが、一般市民の間には、まだまだ浸透しているとは言えない状況で、職場や学校周辺ではさらに馴染みのうすいものとなっているようです。
ハザードマップの存在を知ってもらうための話題づくり、関心を持ってもらうための仕掛け、理解してもらうためのわかりやすさ、定期的に思い出してもらうための日常性など、認知~関心~理解~記憶それぞれの側面において、”効果的に伝わる”ためのコミュニケーションの工夫が求められています。

(以下は防災一般に関する設問の回答結果となります)
Q. あなたは次にあげる災害について、自宅の周辺に関してどの程度心配に思っていますか。(n=1,772)※必須回答

Q. 防災についての意識や行動として、あなたに当てはまるものをいくつでも選んでください。(n=1,772)※必須回答

<調査概要>
調査方法:インターネット調査
調査対象:16~69歳の男女 1,772名
調査期間:2019年1月21~22日

<一般社団法人 防災ジオラマ推進ネットワーク 法人概要>
代表者:代表理事 上島 洋
設立:2015年4月
所在地:神奈川県横浜市中区相生町2-52-302
URL:https://www.bosai-diorama.or.jp/

事業内容 :
「自分でつくる、だから考える。」 私たち一般社団法人防災ジオラマ推進ネットワークでは、段ボールで作るジオラマを使った楽しく実践的な防災授業を通じて、まちを知ることの面白さ・大切さを伝えています。
自分の手でジオラマを組み立てることで、まず何よりも自分のまちに興味を持ってほしい。立体のまちに触れることで、地域に潜む危険を身近なものとして感じてほしい。それが私たちの思いです。

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<本件に関するお問合せ先>
一般社団法人 防災ジオラマ推進ネットワーク
代表理事 上島 洋
Tel:090-1500-2120 Fax:045-264-4732
Mail: info@bosai-diorama.or.jp

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