“防災”の賞味期限

「防災の日」から2週間弱が過ぎました。
毎年9月1日の防災の日に向けて、その少し前くらいから新聞やテレビなどでは防災関連のニュースや番組が増え始めます。我々のもとにも7月頃になると、「近いうちにワークショップの予定はありますか?」と、メディアの方から問い合わせをいただくことがあります。でも決まって聞かれるのは防災の日より前の予定で、それを過ぎるとコンテンツとしての価値はグッと下がってしまいます。
もちろん、「せめて年に一度くらいは防災のことを考えましょう」というアプローチはありですし、仮に「防災の日」がなかったら、1年間まったく防災のことを考えない人の数は増えるだろうなと思います。
グラフ(上)はグーグル検索における「防災」というキーワードの直近1年間のトレンド(全検索ワードに占めるポジションの相対的推移)で、先日の9月1日を含む防災の日の週が最高、年末年始辺りが最低となっています。16年3/5週と17年7/2週は台風と九州北部豪雨というリアルタイムの災害によるもので、過去の被災にちなむものとしては東日本大震災の3/11こそある程度の反応がありますが、熊本地震の前後ではそこまで大きな変化はありません。
グラフ(下)は東日本大震災から7年間の推移(2011年=100)ですが、12年・13年と減って下げ止まり、16年の熊本地震でやや上がってまた戻る、という格好になっています。
これらは「検索」ですので、ニュースなどの「発信」ではさらにこの傾向は強まるだろうと思います。我々もよく「防災を自分ごとに」とか「防災をいつものことに」とか言いますが、そのみちのりはそう簡単なことではなさそうですね。
9月第2週~の折れ線の下降を眺めつつ、賞味期限を切らさないために我々に何ができるのか、秋の夜に考えることとします。